AIを使い始めて最初に感じた不便は、記憶がないことだった。

昨日話したことを、今日また最初から説明しなければならない。同じ背景を、同じ前提を、毎回一から入れ直す。これが積み重なると、かなりの手間になる。

ただ、これを「AIの欠点だ」と思って諦める気にはなれなかった。問題があるなら、解決策を探す。まずAIに聞いた。「この不便をなくすには、どうすればいいか」と。

AIにAIの使い方を聞いた

いくつかの方法を教えてもらった。

その中で実際に組み合わせて使うようになったのが、以下の3つだ。

① プロジェクト機能を使う ChatGPTやClaudeには、特定のテーマごとに会話をまとめておける「プロジェクト」という機能がある。プロジェクトに背景情報を一度登録しておくと、そのプロジェクト内では毎回説明しなくてよくなる。

② 引き継ぎ書をMDファイルで作る 会話が長くなってきたり、新しいチャットに移る時は、それまでの内容を要点にまとめた引き継ぎ書を作っておく。次のチャットの最初にそれを渡すだけで、文脈が復元される。

③ MDファイルをクラウドに置く 引き継ぎ書をGoogleドライブ等に置いておくと、ClaudeだけでなくGeminiやChatGPTなど、別のAIとも同じ文脈で話せる。一つのAIに依存しなくて済む。

引き継ぎ書は、人間より精度が高い

人に仕事を引き継ぐ場合も、引き継ぎ書が必要になる。

ただ、人への引き継ぎ書は書く方も読む方も、完璧にはいかないことが多い。書く側は「これは分かるだろう」と省いて、読む側は「これはどういう意味だろう」と悩む。暗黙の了解が多すぎるからだ。

AIへの引き継ぎ書は、その点で違う。

AIは文字通りに読む。曖昧な部分は曖昧なまま受け取る。だから、引き継ぎ書を書く側も「ちゃんと書かないと伝わらない」という前提で書くようになる。結果として、書く精度が上がる。

受け取る側のAIも、書いてあることを漏らさず読む。「なんとなく読んだ」ということが起きない。

この構造が、人間同士の引き継ぎより精度が高くなる理由だと思っている。

チャットの整理も、仕事の整理と同じ

もう一つ気づいたことがある。

チャットやプロジェクトをきちんと分類しておかないと、どこで何を話したか分からなくなる。これは、仕事のファイルやメールの整理と同じ構造だ。

整理が苦手な人は、AIとのやり取りも散らかりやすい。逆に、仕事の整理が得意な人は、AIとの会話の管理も自然にうまくいく傾向がある。

AIを使いこなす力は、情報を整理して管理する力と、かなりの部分で重なっている。

これも、AIに特有の話ではなかった。

——中の人T

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